PATROL RUNNING

陸の活動

ひとりで路上にいる不安をなくす

「取り組む
社会課題」

ISSUE 01

街頭犯罪体感治安

安全な日本といえども、全国各地で多くの犯罪が起きています。2019年度の認知件数は748,559件となり1日あたりに換算すると、2,050件もの犯罪が日本のどこかで起きています。

刑法犯認知件数

子どもが被害者となる犯罪の現状

記憶に新しい事件として松戸市や新潟市において下校途中の子どもが殺害される事件が発生するなど13歳未満の子どもが被害者となる路上での犯罪は後を絶ちません。時間別でみると15〜17時に集中しており大人の目をつくることが必要不可欠です。

性犯罪による後遺症PTSD

心的外傷後ストレス障害

性犯罪は魂の殺人と呼ばれるほど卑劣な犯罪です。その影響は「自己嫌悪」「不安感」「恐怖感」など心にも大きな傷を残します。

性犯罪による後遺症のひとつであるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症率は、自然災害を体験した女性では5%程度ですが、強姦被害に遭った場合は46%にも上るという研究結果があります。被害者の方の心の傷は簡単に消えることはありません。

発生場所時間

性犯罪の発生場所として屋外の占める割合は全体のおよそ40%というデータがあります。これは帰宅途中の女性を狙った街頭犯罪などが多く引き起こっていることを指します。

時間帯別のグラフ
場所別のグラフ

取り組みの工夫

帰宅途中の女性が多い時間帯や駅周辺にルートを設定することで、犯罪抑止に効果的なパトロールを行っています。他にも、AIを活用してのルートづくりや全国の仲間とオンライン上でつながり活動するシンクロパトランなど、Webを活用した取り組みも進めています。

向上しない体感治安

個人が日常の中で感じる治安の状況である「体感治安」は犯罪減少と同様に重要な指標です。日本国内における犯罪数は減少していますが、それがすべて地域の体感治安の低下や個人の犯罪被害に対する不安感の払拭にはつながっていません。

私たちは、刑法犯の認知件数の減少だけでなく、同時に体感治安を向上していくことが必要だと考えています。

ISSUE 02

認知症高齢者行方不明

認知症高齢者の行方不明は、日本において深刻な社会課題となっています。警察庁の統計によると、2023年の行方不明者数は19,039人を記録し、統計開始年の2012年以降、毎年増加し10年間でおよそ1.8倍に膨らんでいます。

行方不明者の大半は発見されるものの、発見までに数日から数週間を要するケースも少なくありません。2023年には502人が遺体で発見されるという痛ましい結果も。高齢化社会の進展に伴い、この問題はさらに深刻化する可能性があります。

ISSUE 03

社会的孤立

日本では社会的孤立と独居世帯の増加が深刻な社会問題となっています。調査によると、社会的孤立状態にある人は国内で1900万人に上り、OECD加盟20か国中最も高い割合を示しています。この社会との断絶は、様々な課題を引き起こす要因となっています。

【健康への影響】
社会とのつながりの希薄化は、健康に深刻な影響を及ぼします。研究では、この状態は1日15本の喫煙に相当する寿命短縮効果があるとされています。死亡リスクは「社会的孤立」で1.29倍、「孤独感」で1.26倍に上昇することが明らかになっています。
-ブリガム・ヤング大学の調査結果より

【自殺・孤独死の問題】
日本の自殺率は依然として世界的に高水準です。特に50代が全体の約20%を占め最多となっています。特に、職場以外での人間関係が乏しい場合、ストレス解消の機会も限られ、精神的な負担が増大する傾向にあります。

【災害に対する脆弱性】
日本は自然災害が多発する国です。個人の孤立は地域コミュニティの絆を弱め、共助の基盤を揺るがします。近年頻発する地震や豪雨災害に効果的に対応するためにも、地域の相互扶助関係を強化することが急務となっています。

あたたかな大人の目を、
あらゆる場所に。

私たちの使命は、パトランを通じて地域のあらゆる場所に「あたたかな大人の目」を増やすことです。

 

「声をかけるべきか迷った」「トラブルに巻き込まれるかも」
そんなためらいが、社会に「見て見ぬふり」の文化をつくってきました。

 

私たちは赤いユニフォームという「きっかけ」を身につけ走ることで、行動する勇気を持つ仲間を増やします。
困っている人や異変にいち早く気づき、声をかけ、手を差し伸べる。
その小さな行動が積み重なり、地域の安全と安心を支える新たな文化が生まれます。

 

監視ではなくあたたかな見守りを。
赤いユニフォームを着て走る私たちの姿が、その輪を広げるきっかけとなるよう、今日も走り続けています。

PATROL RUNNING

その走りは「ため」になる

パトラン

私たちは、ランニングを手段にパトランを2013年から開始し、全国各地で展開しています。

「パトランでの
取り組み」

街頭犯罪の抑制
夜間帯のパトロールの様子

犯罪が最も多くなる夜間帯で、帰宅途中の女性や塾帰りの子どもが多い駅周辺をパトロールします。街灯切れや路上の異変、トラブルに目を向け、犯罪を未然に防ぐことを意識しています。

活動時間帯
20:00~23:00
子どもの安全
子供見守りパトランの様子

子どもの下校時間の安全を目的としたパトロールを実施しています。事前に小学校と連携しており、子どもたちは「あっパトランだ」と声をかけてくれます。車両が多い場所では、子どもの安全や交通マナーの遵守などにも役立っています。

活動時間帯
15:00~17:00
環境美化
ごみ拾いを行う様子

パトラン中に発見したごみを拾うことで、まちの環境美化に努めています。ごみのない快適な環境を維持することは犯罪減少にもつながります。

救命
小学校で啓発活動を行う様子

犯罪や事故、突然の体調不良など、いつ何が起こるかは予測できません。私たちはそれらの事象をいち早く発見し、手を差し伸べることで手助けが必要な人たちを支えています。

LET’S PATROL RUNNING

一緒に走って防犯活動に参加してくれる方を募集しています。

「パトランの効果」

まちの「ため」、誰かの「ため」、自分自身の「ため」などパトランへ参加する理由は人それぞれ。自分なりの目的を持ち、楽しく参加することが結果的に社会のためにつながると考えています。

パトランによる5つの効果の図

PATROL RUNNING

01

犯罪抑止

犯罪抑止のイメージ

あらかじめ、犯罪が起きやすい時間や場所を想定したルートを設定し、効果的にパトロールを実施しています。また「すれ違った人と目を見て挨拶」することによる犯罪抑止や不審人物、不審車両があれば通報し、犯罪を未然に防ぎます。

02

まちの異変の改善

まちの異変の改善のイメージ

街灯切れや路上の欠陥、不法投棄など発見した事象は自治体や警察に報告し改善を要望します。また、路上で困っている人へのサポートや事故現場などに遭遇した際は現場対応などを行います。

交通事故現場での対応

塚越 章彦さん

塚越 章彦さん
群馬県

パトラン時、後方から大きな音が聞こえました。振り返ると自動車の単独事故です。車道脇の縁石に乗り上げNTT地上機器BOXにぶつかり止まっていました。運転者負傷なし、同乗者なしを確認。警察に110番通報し、二重事故無いように注意・誘導しました。また別の日のは活動中に大きな音が聞こえました。しばらく進むと自動車同士の交通事故でした。運転者・同乗者の怪我の有無を確認し、警察への通報のフォローをしました。信号機のある交差点での信号無視による事故でした。2事案、人命第一、事故拡大しないように対応しました。今後も緊急時に落ち着いて行動できるよう心がけパトラン継続します。

03

孤立化予防

居場所のイメージ

現代社会において、人とのつながりをつくることは意識的に行う必要があります。パトランで人と人とのつながりを育むことは孤立化の予防につながります。

04

社会参画の促進

担い手づくりのイメージ

パトランは誰でも場所や時間を気にせず気軽に行えるハードルの低いソーシャルアクションです。社会人のみならず、子どもや高齢者の社会参画にもつながっています。

05

健康寿命の延伸

担い手づくりのイメージ

運動習慣がつくことでの身体的な健康だけでなく、ゆるやかな人とのつながりができることによる心の健康にも役立っています。

「パトランの実績」

PERFORMANCE

活動人数

これまで日本全国でのべ204,034人がパトロール活動に取り組んできました。

累計活動人数の推移

活動実績

これまで以下の路上の異変の報告と改善や人命救助、困りごとのサポートを行ってきました。

  • 0

    救命
    人助け

  • 0

    不審人物
    車両

  • 0

    交通事故

  • 0

    街灯切れ

  • 0箇所

    道路の
    危険箇所

  • 0

    放置
    自転車

  • 0

    不法投棄

  • 0箇所

    落書き

  • 0

    放置車両

  • 0

    ゴミ拾い

  • 0

    その他

地域における

居場所
役割が生まれる

MESSAGE

社会構造が変化し、家庭や地域社会の絆が徐々に失われつつある中で、これまでのような地域コミュニティを維持することは難しくなりました。

経済的豊かさと利便性は向上した反面、地域の人々が協力して互いの生活を支え合う機会は減少し、地域のつながりは弱くなりました。人とのつながりが希薄化することで、孤立はあらゆる人が共通に抱える課題となりつつあります。

私たちは、パトランを通じて、社会や地域における人とのつながりを取り戻していきたいと考えています。